近況報告


<平成28年8月24日 関西広域連合8月議会 での私の質問>

 水素社会の実現に向けた取り組みについてお聞きする。

 201611月、気候変動に関する2020年以降の新たな国際枠組みである「パリ協定」が発効した。米国の離脱の動きは残念であるが、フランスやイギリスが二酸化炭素排出削減を目的に2040年までにガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止する方針を表明するなど、世界は低炭素化に向けて大きく舵を切っている。

 我が国も、温室効果ガス排出量を、2030年度に2013年度比で26%削減する目標を掲げており、長期的には、2050年度に80%の削減を目指している。

 低炭素化を進め、目標を達成するには、利用段階で二酸化炭素を排出せず究極のクリーンエネルギーと言われる水素を利活用する水素社会の構築が鍵となると考える。

 現時点では、水素を利活用する製品は、2014年に市販が開始された燃料電池車、いわゆるFCVや家庭で電気とお湯を供給するエネファームが普及の緒についたばかりであり、また、バスやフォークリフト、業務・産業の燃料電池などは、実用化が開始されたところである。

 水素社会の礎をしっかりと築いていくためには、自動車の有する社会的な役割、社会への訴求力に鑑み、まずは、FCVの普及に力を入れていくべきではないかと考える。

FCVの普及には、価格面も含め、魅力ある車を市場に投入するといったメーカーの取り組みと併せ、燃料となる水素を充填するための水素ステーションの整備が不可欠である。

国の目標では、2020年度までに全国で160箇所、2025年度までに320箇所の設置を目指すとしており、本年4月現在、91箇所の整備がなされている。

広域連合内では14箇所となっており、うち、大阪府内には7箇所設置されているが、東京都や神奈川県、愛知県、福岡県に比べると出遅れの感が否めず、設置目標にすら達していない。

ましてや、奈良県、和歌山県、鳥取県では、未設置という状況である。

FCVの航続距離は、一回の充填で600 km を超えるとされているが、都心部にステーションが偏在していては、燃料切れに対するユーザーの不安が大きい。

 FCVについて、エンジン車と同等の使い方ができると感じてもらうためには、ステーションの絶対数の増加とともに、全国にステーションがバランスよく設置されている必要がある。

しかし、水素供給インフラの事業者が、FCVの数が少ない中で、4億円以上もの費用を要すると言われるステーションの設置について、事業採算性の面から二の足を踏むのは当然のことでもある。

「鶏と卵」の関係に陥っていないかと危惧される。

そこで、FCV普及の初期段階においては、水素ステーションの設置を促進するような行政の後押しも重要であると考える。

例えば、自治体が、インフラ事業者に対し、ステーション用地のための土地情報を提供するなど、適切なインセンティブを与えることが効果的ではないか。

 域内で広く、このような具体的な取り組みが実施されるよう広域連合としても役割を果たすことで、ステーション整備の機運が高まり、ひいてはFCVの普及につながっていく、さらに、それを端緒として、面的に水素需要が拡大していく、こういった連鎖がうまれることを期待するものである。

 関西広域連合が広域行政体の強みを生かし、水素ステーション設置の後押しなど、水素社会構築につながる効果的な取り組みを実施していくべきと考えるが見解を伺う。